初音ミクとは何なのか(1)

初音ミク』あぁ知ってる知ってる、アニメかなんかのやつでしょ?
まあ大多数の人がこう答えるでしょう
若い子であれば「ボカロでしょ?」このくらいの知識はあるかもしれませんね

シンプルに言うと電子楽器です

昔からコンピューターで楽曲製作はプロの世界でも行われていましたが
80年代パソコンが普及したことで、アマチュアでも楽曲を作る事が出来る様に
パソコンで楽曲を作る作業の事をDTM(デスクトップミュージック)と呼びます
所謂「打ち込み」というやつです

DTM

DTMの詳しい説明は面倒なのでWikipediaさんに任せるとして
でも初音ミクを説明するうえで必要な最低限の事は書いておきます

80年代の頃はFM音源と言って、周波数で音を合成した物、合成とはいっても物によってはリアルと遜色のない音色をしていたりしましたが、録音された物ではなく、数字を駆使して表現した物
記録されているのは数字なので当時の非力なPCでも取り扱う事が出来ました
当時のPC性能では楽器を録音した音を使った楽曲製作はまだプロの領域
90年代になると、リアルな楽器の音を録音して別機器に記録した音源モジュールというものが出現
以降はPCの性能が爆発的に高性能になってプロとアマチュアの設備の差はほぼ無くなりました

でもね、ある一部の部分でプロとアマチュアには圧倒的な差が
この差は設備がいくら増えても縮まらない物なんです、なんだかわかりますか?

歌声です

プロならちゃんと歌えるヴォーカル用意できるけど、アマチュアには用意できません
作詞と作曲の才能がそれぞれある様に、楽曲を作れる人が全員歌が上手いわけではありません
わかりますよね、アマチュアの中には歌が歌えない事で世に出れない人が沢山居たんですよ

そこで天下のYAMAHAは考えたんです、歌声を音源に出来ない物かと
そして出来上がったのが『VOCALOID(ボーカロイド)

やっとボカロが出てきましたが、初音ミクが出るのはまだ先です

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ちなみに、ボーカロイドが切っ掛けで世に出て今や超有名なアーティスト
『マトリョシカ』や『パンダヒーロー』などの超有名楽曲を発表したボカロPハチさんの本名は『米津玄師』さん

ボカロPとはボーカロイドを使って楽曲製作をするプロデューサーの事

VOCALOID

ボーカロイドとは音声合成技術及び、それを応用した製品の事
でも、昔ながらのロボット音声の様な音声合成とは別物です
母音と子音の組み合わせを発音した音声データを音程を付けてつなぎ合わせて歌わせる技術

ヤマハはボーカロイドのエンジンだけを提供、各販売メーカーは音声ライブラリを制作販売、ヤマハにエンジンのライセンス料を支払うというスタイル

世界で最初にVOCALOIDを製品化したのは『ZERO-G』というイギリスの会社、2004年1月に英語の音声ライブラリで男性声の『レオン』と女性声の『ローラ』が最初の市販ボーカロイド
日本でも初音ミクを作った『クリプトン・フューチャー・メディア』が輸入販売していました

クリプトン・フューチャー・メディア社が日本語音声ライブラリのボーカロイドを1番最初に発売した会社です
上のレオンとローラが発売された約1年後の2004年11月に女性日本語音声ライブラリの1号ボーカロイド『MEIKO』シンガーソングライター『拝郷メイコ』さんの音声ライブラリです

MEIKOから約1年後の2006年2月に男性日本語音声ライブラリの『KAITO』スタジオミュージシャン『風雅なおと』さんの音声ライブラリです

KAITOから約1年半後の2007年8月に女性日本語音声ライブラリの『初音ミク』声優『藤田咲』さんの音声ライブラリです

初音ミクから4か月後の2007年12月に男児女児日本語音声ライブラリの『鏡音リン・レン』声優『下田麻美』さんの音声ライブラリです

鏡音リン・レンから約1年後の2009年1月に女性日本語英語音声ライブラリの『巡音ルカ』声優『浅川悠』さんの音声ライブラリです

クリプトン・フューチャー・メディア社は日本のボーカロイド会をけん引した会社と言っていいでしょう
他に、株式会社インターネットから2008年7月に男性日本語音声ライブラリの『がくっぽいど』歌手の『GACKT』さんの音声ライブラリです
インターネットなんて名前安易すぎだろ!なんて思うかもしれませんが、Internetが商業化される前からあるあるDTMの老舗メーカーです

2009年6月には女性日本語音声ライブラリの『Megpoid』声優でありアニソン歌手である『中島愛』さんの音声ライブラリです

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2010年10月には男性日本語音声ライブラリの『ガチャッポイド』ポンキッキのキャラクターの緑の怪獣『ガチャピン』さんの音声ライブラリなんて物もあります

今現在市販されている製品の種類は100に迫る数です、ボーカロイドのエンジンもバージョンアップしているので、各音声ライブラリのバージョン違いや、音声データの再収録版や多言語版や、何が最新でどれが日本語なのか等々チェックをしないで買うと大変ですよ

例えば初音ミクで7バージョン、初期バージョンはVOCALOID2、次が追加ライブラリの「初音ミク・アペンド」VOCALOID3で英語音声ライブラリの「初音ミク V3 ENGLISH」日本語音声ライブラリの「初音ミク V3」VOCALOID4で英語音声ライブラリの「初音ミク V4 ENGLISH」日本語音声ライブラリの「初音ミク V4X」中国語音声ライブラリの「初音ミク V4 CHINESE」

私が持っているのは初代「初音ミク」と「初音ミク・アペンド」と初代「鏡音リン・レン」と「鏡音リン・レン act2」と「がくっぽいど」の3種5本

初音ミク

上の画像はアプリケーションのパッケージですが、実は初音ミクのキャラクターはここにしか書かれていません
PCにインストールするとキャラクタの絵は一切表示されません、クリプトン・フューチャー・メディアのWEBサイトにもパッケージの絵が1枚だけ公開されているのみ
パッケージ裏面には初音ミクのプロフィールが記載されています

  • 年齢:16歳 身長:158cm 体重:42kg
  • 得意ジャンル:アイドル・ポップス/ダンス系ポップス
  • 得意な曲のテンポ:70~150BPM
  • 得意な音域:A3~E5(得意な音域は目安であり、実際は非常に広い音域で歌えます)

初音ミクというキャラクターはこのアプリケーションが初、それまでに漫画やアニメがあったわけではなく、初出のキャラクターです

PCでの操作画面です
公式画像


わずかこれだけの情報がどうして今の様な一大キャラクターに成長したのか
このシステムこそ低迷している日本経済を救うカギになるかもしれません

ですが、長くなったのでまた今度書こうと思います

今回これを書こうと思ったきっかけは、クリプトン・フューチャー・メディアからメールが来て
新しいバージョンの初音ミクの発売日が明日だからというのを知ったからw

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