直島
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先週と昨日の2週連続で放送された「大泉洋」さんのアナザースカイII
先週は水曜どうでしょうの名物企画『四国八十八ヵ所シリーズ』のパロディー?と思わせる衣装を身にまとって、当時を振り返る企画でした
Tverで放送から1週間視聴可能な2週目は香川にあるアートの島『直島』へ
直島
今では海外からも注目されるアートの島として有名な直島ですが、私が直島を知ったのは銅精錬所
直島には三菱マテリアルの銅精錬所があります、正確に言うと銅精錬プラントのプロトタイプという位置付けになる物で、設計して製造して運用して修正してというのをするためのプラント
銅精錬プラントを海外に売り込むためのノウハウを蓄積するためのプラントです
関わったJOB
私はプラント設計屋さんに就職して約1年、バブル崩壊のあおりでその会社が吸収合併されて追い出されて(色々あっての話ですが割愛)追い出された人たちの中に1人役員もいて、その人の親族が経営する会社に設計部を作ってみんながそこで仕事をするという形に、会社って色々面倒で、お金もないし、まあ色々あって、発足時に居た人間は全員社員ではなく外注という形、元々零細の設計屋はみんな個人事業者なので特別珍しい事ではなく、約10年くらい、外注としてこの会社に所属していました
ガラス固化設備
そこで最初にやった仕事は同業会社に出向という形で3次元データを作る仕事、このサイトで前に書きましたが、青森県六ケ所村にある再処理工場で使用済み核燃料を再処理する過程で出る高レベル放射性廃液をガラスと混ぜてステンレス容器内に固形化させて放射能の半減期まで地下に貯留するという計画に使われる『ガラス固化設備』というプラントのシミュレーション用CGを作る仕事
中に人は入れないので、操作はクレーンやロボットハンドでします、練習しようがないんですよ、人が入れないから壊れたらもう直せない、そこで練習用に正しい数値で作られたリアルと同じCGを作る事に
所謂映画やゲームのCGクリエイターは当時でも沢山いましたが、図面が読めない、そこで私たちに白羽の矢が立ったわけでして、図面を作る側の人ですからね、画像を見ればわかりますが、めっちゃ細かい
ロボットアームが間違って壁にぶつかって…遠隔操作ですべてを直さなきゃいけません、人は入れませんからね、イコール、CGで全部作らなきゃいけないという事、図面を読み取って配管も1本1本作る必要があります
これが走行クレーンから吊るされています、このマニプレーターが壊れたら、対である別のマニプレーターで直します、他にもピンポイントで動かすロボットハンドがあったり、とにかく何度も言う様に人が入れないので、中ですべてを完結させる必要があります、直らなければプラントを捨てるしかありません
建設費用は約2億5千万円、1か所壊れると2億5千万円必要です、捨てられないよね
約1年かな、これ以降も同じ出向先で3次元の仕事をしばらくは続けていました
このJOBのつながりで元請からプログラミングの仕事まで請けて、この経験が今の私を作っているといっても過言じゃありません
銅精錬所
出向が終わって、次に手掛けたのがインドネシアと中国に建造する三菱マテリアルの銅精錬プラントの設計業務、コピープラントっていうんですけど、基準のプラントがあって、その仕組みを対象の地形や気候に合わせて設計しなおすという仕事、三菱マテリアルのエンジニアリング部門を担う「テクノ大手(現:三菱マテリアルテクノ)」が元請で最初は溶鉱炉の施工設計、コピープラントなので炉自体の設計はしません、建設地の条件に合った施工設計です、施工設計っていうのは作る時に必要な情報を網羅した図面を作るって事、炉の次は樋『三菱連続製銅法』というプラントは3つの炉を樋で繋いでいます、樋の次は作業床、私の本業は配管設計ですが、ここでは配管は一切やって無いというw一番時間がかかったのがこの作業床の設計です、こればっかりはコピーできないし、プロトタイプは現地で改造しながら作っているので参考になりません
床の設計をしているときに丁度声がかかってね、上で出向していた会社も別の部分を一緒に設計してたんだけど、テクノ大手の担当課長から「現場見に来ませんか?」とのお誘いが来たんです、テクノ大手の担当者のほとんどが東京本社ではなく直島支社の社員で、定期連絡会議的な事で地元に戻ってるから外注さんたち来ませんか?というもの
この仕事で相当儲かってたので、持ち出し何のその、二つ返事で直島に乗り込みました、この時初めて仕事でブルートレイン乗ったなw直島の住所は香川県ですが、フェリー乗り場は本州岡山、岡山県の宇野港から見える距離にあります
皆さんご存知かわかりませんが、プラントと言うのは24時間365日操業するのが基本です、止めないんですよ、いったん止めると復帰時に製品にならない物が多数で来てしまうので、止めない、そっちの方が安い
なので、銅精錬は行われている状態で遠巻きに機敏に見学、まあ写真を取りに行ったというのが正しいかも?ちなみに銅の融点は1,200℃です、銅鉱石が溶けると有毒ガスがでるのでガスマスクが必要な場所には立ち入れませんでしたが、行ってよかった、悩んでいた部分がスッキリしました
ここに行く前に樋の設計で悩んだことがあって、綺麗に設計しようと3次元的に交わらせる方法を探していたのに、見て聞いたら単純な話、段差は気にするな!滑らかじゃなくても流れるよ!という話、水の比重は1.0、銅の比重は8.9、金の比重は19.3、要は勾配が付いてれば何も問題なく流れるという事、比重が高いので飛沫も飛ばない、綺麗に交わらせる必要ないという事でした
テクノ大手の社員が全員現場のおっちゃん的な人たちだったので、会話に根拠がないんですよw単純に「比重が高いから滑らかにしなくて良い」って言ってくれれば悩まなくて良いのに
当時の直島は港町、島の真ん中にある生協の名前は「三菱マテリアル直島生協」
宿は港傍にある船宿でした、今ではグランピングの施設まであるアートアイランドですね
この配管設計屋なのに配管設計をしない月日が長かったことが実は功を奏していたようで、所謂配管設計エリートさんたちがやらないゲテモノと言われる多種多様な物件を受ける事に躊躇がなくなった結果、色々な知識を得る事が出来たのは良かったのかなと思ったり、でも何かのエキスパートにはなれなかったという部分では後悔もあったり、一期一会、人生って難しいですね
水曜どうでしょう
そういえば水曜どうでしょう2020年新作が北海道では完結、TVKでも次週が最終回です
もう各所でネタバレしてるので、ここでも隠しませんが、21年目にして21カ国完全制覇、ヨーロッパシリーズは2回目のリベンジの北欧が一番面白かったかな、名台詞「ここをキャンプ地とする」とかね、大泉さんのネタとしては初回の「小林製薬の糸ようじ」ですね「クワンカの町を彩る、家々の夜景が糸ようじ」
今回のアナザースカイで取り上げた『四国八十八ヵ所シリーズ』は元々『試験に出るどうでしょうシリーズ』の罰ゲーム、試験に出るどうでしょうでは大泉さんの即興語呂合わせが秀逸
火山には2種類あって、富士山みたいな形の山の事をコニーデ、月山みたいな楯状の物をアスピーテと言う、これに対する語呂合わせが「富士山みるならバルコニーで」「がっさーん 立て!ジョー 遊びでねぇんだ」
これを即興で作れるところに大泉さんのすごさが隠れています
だってがっさーん…忘れられないものw
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